朝起きると、顔を洗う一方では、火を焚いての生活も始めます。（現代では火の代わりに電気やガスです）
これもまた広義においては「みそぎ」の一つです。

火の力というものは下に降りるものではなく、上へ上へと盛んに参上っていき、かつ熱烈なものです。
大和民族は、古来より火を焚くにあたって、ただ物質的なものとして火を焚いていません。
薪（たきぎ）などの物質材料を持ってきて、ここに火をつけて調理などを行ないますが、同時に信仰から離れず、火をも神の【いのち】として見ていきます。

私たちの【いのち】は熱烈に上へ上へと進んで止まらず、「まいのぼり」の欲求を以って輝いているのです。
しかもその熱烈は、ただ熱する方面だけではなく、冷静な方面も兼ね備えていて、その冷静なるものを現実生活に活かしていくところに大和民族の熱烈な大事な性質があるのです。
すなわち、燃えたぎる熱烈は、明るき、清き、善き、まっすぐな心を以って全身全霊で行なわれるべきものです。
そうでなければ、熱烈は、却って物を焼き尽くし破壊し、物の動きを止めてしまいます。

明るき、清き、善き心で慎んで火を焚かねばならないことを意味しております。
その心持ちで何事にも一生懸命に行なうときには、熱烈は全ての物を生ずる根源となるわけです。
創造の根本では、この熱烈が欠けてはならないのです。