私たちは朝になれば目が覚めます。
目を覚ますほうが良いことだからと考えて目を覚ますわけではなく、一定の時になると【自ずと】目が覚めます。
日常的に「７時に起きなくてはならない」という理由で、目覚まし時計をかけて人工的に起きるなどということは別として、いつまででも眠っていてよいときでさえ、いつかは必ず目が覚めます。

このことは、私たちの理論理屈を超えた【いのち】の欲求なのです。
目が覚めること自体が得をすることだから、だから目を覚ますという理屈はそこには存在していません。
ただ起きるといいうこと、ただ目を覚ますということ、このきわめて単純な【こと】の裏に、神聖なる【いのち】の現れが出現する次第なのです。

病気や、何らかの特殊な場合を除いては、理屈抜きに毎日「イザ！」「そら！（それ！）」という意気込みで起きるのであって、その意気込みが一日の生活を成り立たせてくれるのです。
その朝の意気込みをもって、終日の生活を始めるのです。

宇宙の開闢も、今回の自己の人生の始まりも、今日の始まりも、たった今の始まりも、すべてが常に「イザ！」という理屈抜きの意気込みから始まっているのです。
このことを、伊邪那岐神（イザナギノカミ）・伊邪那美神（イザナミノカミ）という名で表現しております。

どんなに論理哲学を駆使して考えようが、この【いのち】の意気込みを忘れて除外してしまったなら、自分の人生やこの世界が一体何であるのか、ほとんど分からなくなってしまうでしょう。
万物の原点、万物の根本の【いのち】の意気込みに意識を戻すことが、全てをシンプルに理解できる早道なのです。
素晴らしき満ち足りた人生の人生たるには、この意気込みを要するわけなのです。