魂の弁論

| すぴりちゅあるブログ

 

たまには「箸休め」として、
少し気軽にお読み頂けるような内容を・・・・。

 

中学2年の時の話です。

 

バスケットボール部に所属していた私は、
ある日の練習後、仲間と帰ろうとした時に、自転車の鍵を失くしたことに気がつきました。

 

仲間もしばらく探してくれましたが、
は出てきません。

 

仕方なく、私だけ
歩いて帰るしかないと諦めました。

 


バスも電車も
通っていない田舎の夜道ですし、

 

徒歩で小一時間かかる距離を
たった一人で帰るのかと思うと、

 

どうしようもなく
悲しくなったのを覚えています。

 

そしたら、「いいこと考えた!みんなで交代して、伴走すればいい
と提案した者がいました。

 

「6人」のバスケットメンバーに
「5台」の自転車ですから、一人だけ自転車に乗れません

 

その自転車に乗らない者が、
5分くらいずつ走って、

 

皆で交代しながら
自転車に伴走するという提案でした。(二人乗りは禁止だった)

 


皆、部活でヘトヘトで、

お腹もペコペコ、

 

誰もが早く帰って
お風呂に入りたいはずなのに、

 

決して
義理人情からでもなく、

 

私一人を置いて帰ることへの
罪悪感からでもなく、

 

喜びも苦しさも、共に分かち合おう
という
掛け値なしのだけを、「メンバー全員から」感じた出来事でした。

 

何よりも
可能なかぎりこの瞬間を、皆で一緒にいたいね

のような純真なワンネス感覚があったように思います。決してベタベタではなく。

 

そこに何の印象操作もなかったし、
一切の駆け引きもなく、ただ全一愛だけが在った・・・・・

 

今も永遠の一瞬として
鮮やかによみがえります!

 

その時の仲間の好意行為に、
私は尋常じゃなく感動したので、

 

中学校内の弁論大会で
発表することにしました。

 

表彰のことなど
微塵も考えていなかったのですが、3位入賞。

 

この時に、校内で1位になった者だけが
福井・石川・富山の北陸3県連合の大きな弁論大会に出られるのですが、

 

不思議なことに、なぜか3位の私が
その大会に行くことに(職員会議で)決まったのです。いまだに謎です。

 

いよいよ大会を迎えた日、
大きな会場に入って、さすがに緊張したのを覚えています。

 

きっつい発音の福井弁が抜けず、
地方なまりがバリバリの私と違って、

 

3県代表の各校の学生たちは
優れた表現力と話術の持ち主ばかりでした。

 

でも、それも
私にはどうでも良かったのです。

 

あのバスケット仲間との
自転車の話」を

 

大勢の人に
聞いてもらえるだけで、嬉しくてたまりませんでしたし、

 


その話をすることが

彼女たちの愛に対する恩返しのようにも思えました。

 

そして、話術発音
まるでなっていない田舎者の私が、

 

北陸3県大会で
優勝してしまったのです。

 

物心ついてから
ずっと封印してしまっていた、私の中の「愛・感謝・共にある喜び」は、

 

中学の時の「あの出来事」によって、
瞬間的にとはいえ、

 

ハッキリと
目を覚ましてくれたように思います。

 

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