宇宙は全体ひとつ（全一）であり、
総合であり、統合体です。
何ひとつ分断されていません。
あらゆるものが、
他のあらゆるものとつながっている。
あなたは星々と、
大地と、木々と、河川と、山々と
つながっている。

それなのに、「私は分離している」と、
思えば思うほど、
あなたの「感性」は鈍くなり、貧しく乏しくなる。
これを文字通り「貧乏」と言う。

逆に、「私は全体とつながっている」と、
感じれば感じるほど、
この森羅万象、銀河、宇宙、大地が
あなたの一部であり、
自分たちは仲間同士なのだと理解できる。
これを「富」（十味）と言う。

あらゆる「いのち」は、
ひとつの統合であるのに、
【自分】とか【あなた】という
「概念」「思考」「言葉」のために、
あなたは【全一】（全体ひとつ）から逸脱していく。

【自分】という概念は、つまり自我は、
所有性の結晶化されたカタチですから、
覚醒していない意識の人が、
【自分は】と考えたとたんに、
【自分は】と口にした瞬間に、
全一から完全に離れてしまう。

全一という「真の中心」から離れ、
全一というあなたの「根」から離れ、
自分の根と闘うような人生になる。

個としてのあなたの「真の中心」は、
「全体の中心」でもあるわけです。
それなのに私たちは、
子供の頃から、
自分だけの小さな中心をつくり上げてしまった。
自分勝手に、人工的に、
「偽の中心」を作ってしまったのです。

子供には、この偽の中心がどうしても必要でした。
なぜなら、子供は
「自分は何者か」を分からずに
子宮から出てくるからです。
何者かを知らない子供は、
強烈な自我を持たない限り、
激しい生存競争を生き抜くことが
できないからです。

どうしても一時期だけは
必要なシステムだったということを分かって下さい。

この偽の中心（自我）は、
生き延びるために必要でした。
いかにうまく生き延びるか？
子供はご立派な氏名を与えられなければならないし、
「自分は何者か」という考えを、
暫定措置として与えられなければならない。

もうお気づきだと思いますが、
どこまでいってもこれらの考えは、
子供の外側から来たものばかりです。
それでもあなたは、大人になってからも、
外側の人々の言葉を集め続け、
所有し続けているのではないですか？

あなたは、子供の頃から今に至るまで、
人々の言葉や、自分への対応ぶりをもとにして、
「自己イメージ」をまとめ上げているのです。

あなた自身の存在証明は、
単に外側の人々からかき集めた
「意見」を組み立てたものでしかない。

その自我の仕組みに気付いて、
「自分は何者か」を静かに内省し、
それらが一体どこから来ているのかを
見つめていくと、
８０～９０％は
母親から由来することが分かる。
他に、父親、教師、友人、世間からも来ている。

いずれにしても、
あなた自身の内側の「中心」から来ているものは
何一つ無いことだけは
分かって頂けると思います。

自分の本質が完全に抜け落ちているのに、
何をもって「主体性」と言えるのでしょうか？
あなたの内面に、外側からの操作支配を収集したままで、
それで自分のオリジナルな人生と言えるのでしょうか？

外側から収集した意見の数々は、
あなたに「人格」をもたらしてくれました。
あなたの人格や性質は
一時期の借り物に過ぎず、
架空のニセモノでしかありません。

逆に、内なる「真の中心」につながって
知ることができた叡智（情報）は、
あなたに真の「オリジナル個性」をもたらします。
これは借り物ではなく、本物のあなたです。

あなたは、いつかは自分単独で
この探究に向かわなくてはならない。
あなた自身の存在を深く掘り下げて、
内側に深く入っていくしかない。
今までに収集した、幾層にもわたって所有したままの
「偽の存在証明」を外すために・・・。

あなたは自分自身を定義するための、
役割名、学位、何らかの資格、名誉、お金、権力を
所有している。
内側に深く入るということは、
この定義を外すためです。

ところが、ここで多くの人が中途半端な作業になる。
自分の真の中心に到達する前に、
あなたはイヤでも
非常に混沌とした状態を
通過しなくてはならないのですが、
混沌に対する恐怖（プログラム）のために、
あなたは内側に深く入りきれない。

「混沌の中に呑み込まれていくと、
自分を完全に見失ってしまう」という
強烈な固定観念があるからです。
これも単なる操作プログラムですが、
そのアホくさい思考を
採用してしまう人が多いのは残念です。

混沌は虚空の門ですから、
ただ受けいれていくならば、
あなたはその中心に到達できる。
あなたの真の根っこ、
あなたの中心、
あなたのルーツに到達して、
そこに統合されます。