意識はエネルギーそのものです。
このエネルギーが頭の内側に向かうと、
思考・感情などになり、
頭の外側に向かうと、
モノゴトや自然との関係性になります。

ところが、エネルギーが
頭の内側へも外側へも向かわなければ、
その時それは全体と溶け合ってひとつであり、
虚空ともひとつであり、
ただ波打ち、脈打つのです。

エネルギーがただそこにあって、
どこにも向かわず、
源泉（虚空）で脈動するのです。
ここに座禅や瞑想の真髄があります。

世の中全体が、
強制的にあなたのエネルギーを
「頭」に向かわせてきました。
教育というものは、
どうやって生エネルギーを
「頭」の中だけで脈動させるかということに
目的があります。

どうやって大医学者や大数学者になるか、
どうやって、立派な大人格者になるか、
いかに富裕層になるか、
そういった目的のために、
「頭」にエネルギーを持っていくことが
教育のすべてになっています。
（そうなっていけないわけではありませんが、
第一次的に目ざすものではないので）

禅などの瞑想の真髄があなたに求めているのは、
まるで逆のことです。
いつまでも「頭」の中でうろついているのではなく、
頭から出て、
内奥の源泉へと向かうことをあなたに促してきます。

ところが、世間のシステムのほとんどは、
あなたの源泉から生エネルギーを取り出し、
「頭」のほうにばかり持っていかせて、
想念やイメージや思考を
創り出すように仕向けます。

それが悪いということではなく、
エネルギーが頭だけで全部使われてしまったなら、
あなたは決して
「自己の永遠無限性」を知ることができなくなる。

たとえ有名な誰かさんになったとしても、
生とは何か、いのちとは何か、創造性とは何か
という大切なことを、
実際の体験としては決して知ることがない。
全体ひとつになる、神になるということを、
あなたが体験としては決して知ることがない。

エネルギーが「頭」の内側にも外側にも向かわず、
ただ内奥の源泉にあって、
そこで脈打つ、それが座禅です。
座禅というのは、
エネルギーの源泉に座るという意味なのです。

その時、とてつもない力が湧き上がり、
エネルギーが変容し、
ますます光と喜びになり、
さらなる壮大な生エネルギーになり、
より壮大な創造性になっていくのです。

生エネルギーは
いかなるカタチにでもなりうるけれど、
真っ先に必要なことは、
どうやって源泉に入るかを学ぶことです。

源泉に在ることができたなら、
あなたの潜在能力が何であるかは、
源泉の虚空が決めて、あなたに割り振るのです。
源泉にイキイキとくつろいでいれば、
あなたの中にひそむ能力へと自然に導かれていく。

それはべつに、考えることを
一生やめなさいということではありません。
２４時間、四六時中考えていることの無意味さに
ただ気付いて頂きたいのです。
そして、明晰な気付きと覚醒を保って、
源泉へと入ることが何よりも優先事項であり、
根本的なことだと分かって下さい。

常に自分の中核である源泉に
戻ってくつろぐことが大切です。
それによって、あなたは常に満ち足り、
喜び、覚醒し、至福になっています。
そこに生エネルギーの自然な放出が起こっています。

あなたの意識が源泉にくつろぐならば、
その状態からは、
必要とあらばいかなる知的活動も難なくこなせるし、
慈愛の活動も支障なくこなせる。