（昨日の続き）

あなたが「この世は全て虚空である」と理解しても、

それでも世界は未来永劫あり続ける。

ところが、虚空に瞑想し続けていくと、

世の中は依然としてそこにあっても、

もはや実体は失われ、

単なる各自のマインド（自我）が投影されるだけの

ゲーム場に過ぎないことが分かってくる。

外側の事物というものは、それが影に過ぎないのに、

あなたが現実感を与えた分だけ

現実に見えてくるだけだ。

いかにもリアルに見える外界から、

そして、いかにもリアルに見える自我から、

あなたが現実感エネルギーを全て取り返すと、

初めてあなたの内側の「真の中核」が現れてくる。

そして、ようやくここからが、

あなたの真の現実の

本格的開始となるのだ。

霊的な夜明けだ。

仏教徒たちが「世界は幻影だ」

と言うのは、そういう意味だ。

ただし、ここで話が終わるわけではない。

大切なことを忘れてはならない。

全てが虚空であると理解し、

世界や世間が幻影だと分かったけれど、

外界の事物を軽んじたり、放棄したり、

逃げたりするわけではない。

世間を捨ててしまうわけではない。

幻影にすぎないなら、

一体どうやって捨てるというのか？

お釈迦様が光明を得る前（ブッダになる前）は、

私たちと同じく彼も無知であった。

だから世間を捨て、お城を捨てた。

もし捨てる前に光明を得ていたら、

かれは御殿も世間も捨てなかったはずだ。

捨て去る意味がないからだ。

外界や世間とは、

内なる意識の光明から生じた「影」なのだから、

そして影は光明について回るものだから、

捨てることなどできない。

外の世界が実体感・現実感を失い、

完全にうつろな影になるとき、

必ずあなたの内側では

「霊的意識の光明」が強くなっていく。

ここでようやく、あなたの中に「真の実在」

（究極の純粋意識・虚空）が実体を持つ。

そして内側の光明が

外界の「影」に向かって広がる。

光と影が融合する！

内と外が融合する！

霊的なものと物理的なものが融合する！