虚空について、「不動」の意識という表現を

主に使っていた時期もありましたが、

不動＝「硬い」というイメージが湧きかねません。

「静」のほうがしっくりくると感じ、使うことにしました。

虚空は無限の「静」ですが、

ビッグバンの後、そこからは

常に「動」が生まれています。

つまり光（いのち）の「動き」です。

衝動、変動、欲求などの「動」です。

虚空は、静かな「意識」であると同時に、

「意志」という「動」の側面もあるということです。

そこに人の言語や言葉は、全く介在していません。

グルグル思考とか解釈も、介在していません。

ただ「静」から「動」が、次々と、粛々と、

普通に、シンプルに起こっていくだけです。

この「動」そのものを、人の頭が前もって

予知することはできませんし、

「動」への解釈も、判断も、意味付けも、理由も、

いっさいが純粋な「動」のジャマになるだけです。

であるなら、内なる虚空から

自然に湧きあがる「動」に従って、

素直に生きればいいだけなのだ

と思われませんか？

いちいち、個人的な解釈や分析が、

一体どこに必要でしょうか？

朝、目が醒めるという動きが純粋に起こり、

何かを食べたいという動き（衝動）が起こる。

それに従う・・・。

頭の分析に従うのではなく、

それを超えた奥深いところからの、

理由なき「全身的・全体的な動き」に対して、

繊細に気付き、抵抗なく受け容れて、

色気なく純粋に素直に従っていく。

ところが、私たちは、

そういう生き方をほとんどやったことがない。

（自我が確立する前の、幼少期を除いて・・・。）

常に、前もって分析や判断を使うし、

「動」（コトの起こり・衝動・変動）に対する解釈をしてしまう。

頭も感情も身体も、

いったん「静」（虚無）にならないと、

虚空から湧き上がる「動」が分からない。

基本的ニュートラルな「静」から、

純粋な今の「動」が湧くのだから。

真の瞑想状態とは、

「無思考」「無心」のことですが、

目をつむって静かな意識になっただけでは

中途半端な瞑想です。

繊細かつ自然な「動」に気づいてこそ、

瞑想（無思考）は完成です。

私たちの意識が、

研ぎ澄まされた静かな受容性でいる時、

内なる「動」は繊細に分かる。

これ以上ないほど、

あなたの思考が最も沈静化された時、初めて、

虚空の意志、「動」が起こっているのが分かる。