私たちは、いつも体と一緒だった。（ことしか覚えていない）

それは当然だし、自然なことだった。

何世（何生）にも渡って、いつも肉体と一緒だった。

肉体が無いときもあったけれど、その記憶は無い。

なぜなら、肉体から離れるとき、

あなたの意識は眠ってしまうから、全く観察できていない。

その「無意識の状態」はいつまでも続き、

次の新しい体（赤ちゃん）になってもまだ無意識のまま。

あなたの意識は常に眠ったままだから、

肉体に居ない時、自分が誰なのかを知らない。

体が無い自分が、一体どう感じるのかも知らない。

あなたは、ただ一つの現象、つまり「肉体化」しか知らない。

あなたが自分を観察して知ったのは、

常に体の中にいる時だけだった。

それがあまりにも長く続いてきたから、

「自分と体は別物」という真理（まこと）を忘れてしまった。

でも、意識が眠ってしまう状況下では、

これは仕方がないと言える。

あなたは、自分を「この体だ！」と思い込む。

それを「同化」「同一化」「隷属」と言う。

「自分は体だ」というプログラムを本気で認識したおかげで、

「生まれ、そして死ぬ」という肉体経験をすることができた。

思考は、自分が行なっていると認識したおかげで、

感情を味わうこともできた。

ところが、そのうち他者から、知識として

「人は魂だ」とか「スピリットだ」とか

「空」だとか習う。

その知識は、自分の経験ではなく、

あくまでも聞いた話しでしかないし、

うわさ話しの域を出ていない。

「自分は体ではない」と頭で信じさせられたまま、

実はあいかわらず肉体・感情体・思考体に

隷属・同化して生き続ける。

このことによって、あなたは「頭の知識」と「体の経験」に分裂する。

そして、あなたは全一ではない者として、分断されたまま、

不安に葛藤しながら生きることになる。

でも、人から聞いたこと、頭に入った内容は、

自ら経験しなくては何も始まらない。

自らが経験して知るために、ここに生きている！

興味が湧いたなら「体・カタチではない状態」

つまり虚空・真のワンネス・全一・万物一体愛を

自らが経験すればいいだけのこと。

そのために、先ずは素直に認めることが大事だ。

「正直いって、今も、この体を自分だと信じている」ことを。

「今も、思考と感情を自分が行なっていると信じている」ことを。

そして、「私は、自分をまだ体・カタチとしてしか経験していない」

「だから、体・カタチが全く無い状態（深い死）をいまだ知らない」

という事実も、面と向かって素直に受け容れなくては始まらない。

だって、やったことがないのだから、それでいいわけです。

肉体・思考体・感情体に隷属・同化したからこそ、その経験ができた。

そして今からは、「体・カタチ」を超えた自由なものを経験しようとしている。

その為には、頭の知識から導き出される「深い死のイメージ」

「虚空になるイメージ」をいったん捨てて下さい。

それも他人の知識に過ぎない。

過去の知識の全ては、あなた自身の純粋な体験のジャマになるだけです。

全ては、あなた単独で経験するべきことだからです。