苦しい感情の自分を「何とか癒やそう」「何とか救おう」と努力し続けていくと、逆に、感情の癒やし中毒になるという皮肉なことが起こるのです。

感情そのものには何の罪もありませんし、感情は味わって楽しむための、とても大切な人生の宝物です。

それを「この感情が悪い！」と批判していると、苦しい感情だけを排除していくつもりでも、結局は他の感情や、繊細な喜びや、愛や、直観を感じ取る能力も衰えていくということになります。

そもそも、なぜ苦しい感情が湧くのか？
この理由さえ分かってしまえば、いちいち辛い感情を創り出して、またそれを癒やす必要がなくなります。

苦しい感情が湧く理由はたったひとつ。
それは外側の現実にはいっさい関係がなく、あなたが内面で握りしめている「価値観」によって湧くのです。

外側の何かを解決すれば苦しさがなくなると思っていますが、実は、あなたの内側の価値観に原因があるのだと知っておいて下さい。

なぜ苦しいのか？
「これは良くない出来事だ」「今の自分の状況はダメだ」「今が嫌いだ」などといったような「良い・悪い」に基づく価値観があるからなのです。単にそれだけなのです。

辛い感情は、どのみち時間をかけて消えていくものですが、それは死のホルモン（脳内ステロイド）によって消滅するのであって、直接的にはセラピストのおかげではないですし、ヒーラーや占い師のおかげでもありません。友人に愚痴を言ったから、スッキリしたのでもないのです。

感情の消滅は、ご本人の中で起こっており、死のホルモンによって消滅しただけです。このホルモンの中毒になることは、薬物中毒になることと同じ。

二極の価値観に片寄ることなく、ふたつとも統合して無極になると、つまり「良いも悪いも無いのだ」「どちらもOKだ」という純粋な愛の価値観になっていくと、苦しい感情とは無縁になり、苦しい現実も創られなくなります。癒やし中毒から抜けられます。

今の状態や現実を否定する、自分や他者を否定する、こういった何かを批判するような「相対的な価値観」からではなく、「今のままで、何も問題ない！」「今、これでOK」という、宇宙の絶対的な価値観から生きるようにしてみて下さい。

そうすると、そうなっていくのです！