（以下は、執筆の一部から抜粋致しました）

「いかり」には実は二種類ございます。
もともとの素直な真実の「いかり」と、真実から遠く離れた「怒り」（怒号）です。
大切な「いのち」の実現を忘れて、「落ち込み」をし、そして「けがれ」（気枯れ）が起こり、楽しく晴々とした心で生きる気力が湧かなくなったままですと、ただもう不平不満しか湧いてきませんが、この不平不満を大嵐の暴風雨のようにまき散らすことを一般的には「怒り」と呼んでおります。

でも、こういう場合の怒りは、周囲への八つ当たりでしかなく、大変不毛で非生産的なものです。
この「怒」という字は、もともと当て字にすぎず、本来の素直な「いかり」という意味あいからすれば、「意駆り」や「稜駆」という字が妥当でありましょう。

「意駆り」は【意駆け】でもあり、この【意駆け】が【いのちがけ】の語源です。
「いかり」は「い」が活発に動き始めるということですから、この時の「い」は「いのち」「いのり」「いぶき」「いきる」「いわう」などの言葉に相通じる「い」なのです。
よく、「神のいかりに触れた」などと申しますが、この表現は、神が八つ当たりをしていること申しているのではないと分かって頂けるはずです。