(さっきの続き)
【空】、それは一切何も起こっていない瞬間のこと。そしてそれはいつも【今】です。そこが創造のスタートです。ですから、何かを意志する時、あなた個人の頭が真っ白になっている必要があるのです。何もかもが万策尽きた時、よく『頭が真っ白になった』と言いますが、まさにあれが【エゴの死】で、【空】の状態になったのです。その時こそ【いのち】が一気に発動でき、現実が急転直下して好転する瞬間なのです。
質的に言うと、満ち足りて静寂な状態が【空】です。一切の波立ちが無い、澄み切った湖面のような状態。これが[内側に全てを持っている]という心の状態です。
素粒子の状態で全てを持っているのが【空】ですが、ミクロの状態で持っているから、重さは感じられません。強い力や刺激を感じる状態ではないのです。むしろ繊細で、穏やかです。
でも、頭は強い[刺激]を求めて生きてきたから、[興奮すること]が満ち足りることだと勘違いしています。
ですから、多くの人が興奮したがっています。静寂さという喜びなんか、ツマラナイのではありませんか?
頭・思考によって興奮状態の自分を創ることが好きなのではないですか? そして、興奮しそこねた反動からは、頭はウツになる方向へと向かうだけです。あるいは、落ち込みとやる気の無さに向かいます。まるで薬物中毒と同じで、ますます強いクスリを追いかけ、さらなる興奮を求めていきます。静寂な至福など見る影もありません。
強く興奮するためには、クスリが不可欠。だからお金を薬物として利用します。宝くじやギャンブルを薬物として利用します。マンション購入や恋人や家族や友人を薬物として利用します。お客様を薬物として利用します。残高や成績を薬物として利用します。興奮する快楽を得たいからです。思い当たりませんか?
【至福・喜び・エクスタシー】は、【興奮】のことではありません。興奮とは全く違うのです。刺激反応ではないのです。完全に真逆のことです。
自分だけの興奮のために、現実界の全ての対象を薬物になどしません。全ての対象をエサになどしません。対象に依存しません。対象に関係ありません。執着しません。追いません。その真逆です。
全ての対象が、自己の内なる愛を差し出すための対象なのだということです。すでに差し出す時点で至福であり、エクスタシーです。差し出すのは受け取らせるためではなく、自己の愛をただ表に表現して解放するためです。
【空】という満杯な静寂・・・、これが意志する時の基本。
具体的に言うと、バレーボールの選手が相手チームのサーブを待っている時の状態に近いです。
どこからボールが飛んできても、四方八方どこへでもスグに動けるという状態。ただ中立に意識があり、完全に頭は静寂で、身体はくつろいで柔軟で、繊細に意識が覚醒しています。
侍が、四方八方の相手たちに相対する姿勢にも似ています。頭・思考は無い状態。あとには【意志】の発動とゆだねが残るだけです。
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