私たちは、二度誕生してこそ、
万物の霊長として完成されます。

一度目の誕生は、肉体などの身体的な誕生です。
これは誰にも起こる誕生の仕方で、この誕生だけですと、私たちは「別々に生きている」という感覚しか経験できません。

二度目の誕生は、「意識」の誕生です。私たちの本質中核の誕生ですが、この見えない霊体が生まれて初めて、
全一やワンネスが実感として理解できます。

私たちは「別々に生きている」という根深い盲信がありますが、それは二度目の誕生が起きないからです。
意識としての自覚（覚醒）が無いからです。

私たちは「ひとつの意識」であるという普遍的な真理、これを頭で考えようとすると、
意識は断片化されてしまいます。

でも、思考に入ってしまわなければ、意識が分断されることはなく、
全一として「感じる」ことが簡単になります。

自分自身のことを、決まりきった「特定の個人」として錯覚し、どこにもそんな実体など無いのに、
「これが私」と暗示にかかって信じているのです。二度目の誕生が無いから、分からないのです。

いかなるエゴ（自我）であれ、あなたの「意識」の誕生によって必ず解放する（死なせる）ことができます。
それが可能である理由は、本当に自我には実体など無く、生きてもおらず、完全なバーチャルだからです。


生きて実在していないもの（思考・概念の世界）であれば、何であっても消滅できますが、
今ここに生きて動いて存在するものだけは、誰にも消すことができません。

「今ここ」に生きて動いているものだけが、
「常時・いつでも」「誰にでも」「どこにでも」存在するものであり、永遠不滅だからです。

この重大な普遍的事実は、単なる私見や見解でもないし、教義や観念でもありません。
優秀な学説でもないのです。ただただ、未来永劫の普遍的な真理です。宇宙最大の秘密です。

いかなるものごとであれ、あなたが学者のような分析的な頭と目を通してそれを見るなら、
そこには二元性や多極しか見えないし、分割しか見えないでしょう。

でも、思考が空っぽで、感情も抜きにして、ただ純粋な意識で観てみるなら、
全てはひとつであることが分かります。

ところで、真理を探すには、二つのやり方があります。
■ひとつは、頭や思考によるもの。
■もうひとつは、純粋な認識・気づきによるもの。

思考の道は、いつまでたってもグルグルと回るだけで、決して一度も終わりには導かれません。
思考は、他者の考えを借りているに過ぎないし、自らの直接的な気づきではありません。

思考が増えるほど、考えれば考えるほど、真理は遠のくし、気づきが湧き起こりません。
思考は他者からもらった伝染病か麻薬でしかない。

ボクシングのチャンピオンになった村田氏も、試合のことをアレコレ考えてしまうと、
いつもの非凡な才能が全く出なくなることに気づきました。

彼が、自己保身のための（自分が生き延びるための）思考や感情から出た時、
やっと「今ここ」に集中していられ、試合に勝つことができたようです。

普遍的な真理、私たちがひとつの意識であるという真実、この全一なる意識の誕生は、
あなたがスペース空間に意識を置くようになさると、より認識しやすくなります。

あるいは、思考や感情や予期と同一化せずに、全てをただ観察していく時、
その観察している意識がまさに全一の意識だと認識しやすくなります。
つまり、覚醒していられるのです。

「現実が何も変わらない」
と言う人に限って、
表層の見た目にとらわれています。

現実面での表層が変わっていないように見えても、あなたの真の意識がしっかりと誕生したあとは、
現実面の奥行きがまるで違うことに気が付くようになります。

生を生きるとは、なんてステキなのだろうと
感慨深くなります。

思考ではなく、「意識」の誕生、分析しない「意識」の誕生、
この意識革命を通じて、人は生の醍醐味と愛を感じ、深く認識できるのです。

あなた自身である「意識」が、自らの「不老不死」を理解できていき、
いのちが消滅するという恐怖は消えて、闇も消えます。

輝くような生の喜びと、
全体の生に対する奉仕の意図がムクムクと湧いてきます。