そもそも虚空の無条件の愛には、

「こうあってほしい」「こうあるべき」というような

特定の期待が全くナイので、

期待を裏切られて怒りが湧くとか、

悲しいといった感情が生まれることもない。

全体への愛の放出だけで

自らが満たされてしまうからです。

ところが、個としてより良く生存することに

執念を燃やすよう仕向けられてきた「自我」には、

結局のところ、苦しみや怒りという感情を作ることしかできなかった。

そういう辛い感情の根っこには、

（勝手に自我が期待しただけですが）、

相手が裏切ったという不信感、

誠を尽くした相手から見放された絶望感、

さらに誠を捧げた自分自身への否定感や

悔恨の傷がジクジクとうずいているわけです。
 

放出する愛で自分自身を満たすという本質を忘れた自分が、

他に依存・執着することで満たされようと期待した。

そして、その期待を却下されたことに対する

自己否定的な怒りと悲しみ（自我の感情）が

今も癒えていない。

それなのに、全くそれに気づいてあげていないことが

一番の問題といえます。

自我は一種類ではなく、文字通り１０８種類くらいあって、

それぞれが自己主張しあうことしか知らないのです。

狭い視野なのです。

エゴを中心とした狭い意識で生きるということは、

自我の感情が生み出す苦しみが続くことであり、

この苦しみが輪廻サイクルのモトになっています。

つまり、エゴの意識をわたしたちの意識の中心にせずに、

全体（全一）の意識を中心とするなら、

つまり虚空の意識を私たちの意識の中心にするなら、

二極の葛藤の苦しみは生じなくなる。

１０８種類の自我から出て、あなたが深く死ぬことで、

虚空だけがあなたの意識の中心になり、

愛と光の放射が起こってくる。

すると、深部に隠されていた沢山の未昇華（＝不成仏）の自我を

もっと見つけやすくなります。

もし、あなたが幽霊（不成仏霊）をよく見るなら、

それは他ならぬ「あなたの自我」です。

自分のデータを深く掘り下げて気づくこと（＝深化すること）、

つまり全てのデータを知ることによって、

自分の過去を受け入れて統合することができます。

深く掘り下げて気づくほど、同時に高く伸びて（進化して）いけるのです。